「お言葉に甘えて」まとめ

はじめに

かつて「パズル通信ニコリ」に連載されていた「お言葉に甘えて」という言葉遊びの連載について紹介します。
「お言葉に甘えて」は46号(1993年12月)から隔月刊最後の71号(1998年2月)まで26回に渡って連載されました。連載15回目の60号から,17文字さんこんにちはの(は)部門が合流しています。((は)部門については後述します。)
担当は(起)さん。当初は「タイトル募集」となっていて,3回目に応募作の中からタイトルが決定されました。素敵なタイトルですよね。

以下では「お言葉に甘えて」の掲載されていた各種言葉遊びについて紹介します。

プレハブレット

1文字の言葉から始めて1文字ずつ後ろに付け加えて常に言葉になっているものです。連載1回目以降断続的に掲載されていました。名前はダブレットという言葉遊びとプレハブからとったものらしいです。

  • コウキョウシン:子 → 幸 → 校旗 → 皇居 → 公共 → 交響詩 → 公共心 (46号)

連載後半では外来語を交える努力などもされてました。
また,いくつかバリエーションが提案されていました。エピハブレットは,頭の一文字を順番にとって縮めていくものです。

  • ヤキュウジョウ:野球場 → 宮城 → 友情 → 有情 → 条 → 陽 → 右(49号)

ダブルハブレットは前後両方に伸びていくものです。

  • ヤキュウジョウ:鵜 → 有事 → 救助 → 野球場(51号)

右上がり単語

カナについて五十音順で後に来るほど高いと言うこととしたとき,一つの言葉の中で後の文字ほど高くなっているものです。高さは,清音→濁音→半濁音に高い,促音と拗音はふつうと同じ高さ,長音は無視,としていました。連載1回目の46号から募集開始され,55号でピークを迎え56号を最後に姿を消しました。
掲載された中で長音除いて最長の単語は8文字でした。

  • アイウエオ順 (56号)
  • 秋田手延べ麺 (55号)

さらに長くするには単語でなくフレーズで追求する路線もありますが,あまりきれいなのはなかったでしょうか。

  • イカサシセットノフマン (55号)

カガミ遊び

47号から募集され,最後まで継続的に掲載されていました。おそらく連載中もっとも人気のあった言葉遊びと思われます。

  • 代えた鏡で見えた (47号)

「カエタ」の「カ」が「ミ」になると「ミエタ」になるということです。
置き換えるためのキーワードはカガミに限りません。

  • ヒヨコは横浜で暇 (53号)

「ヒヨコ」の「ヨコ」は「マ」になると「ヒマ」になります。

  • 紅海からトルコへ迂回する (57号)

「コウカイ」から「コ」を取ると「ウカイ」になります。このように置き換えるほかにも,とる,ぬく,たす,つける,何でもありで,この自由度が人気の秘訣でしょう。
連載が進むにつれて,同じ文で2回置換したり,英語に直して置換したりと,どういう変換ルールかを読み解くのがパズルのようになったのもありました。

増殖尻取り

言葉の文字数を1つずつ増やしていく尻取りです。52号までに何回か紹介されていました。100文字まで作って応募した人もいたそうです。字数が長くなると単に指定の文字数のフレーズをでっちあげるだけになるので,即興でやるのでなければ特に面白くないかもしれませんね。

日本語で言いのける言葉

外国語の言葉を日本語で言ってのけようというものです。「掘ったイモいじるな」みたいなものですね。英語以外で募集したようで,56号で掲載されたきりです。

  • 中国で「デブチン」(56号)

中国語でごめんなさいと言うには「デブチン」と言えということです。

略号翻訳

アルファベットの略語を日本語で表現しようというものです。56号から募集開始されて最後まで続きました。分かりやすいためか人気があったようです。多分最高傑作はこれでしょうか。

  • SOS … さあ俺を救え (58号)

DMシリーズなんてのもありました。

  • DM … 出されても見ないよ (60号)
  • DM … ダメでもともと (65号)
  • DM … 出しても無駄だってば (66号)
  • DM … 出せ出せもっと (68号)

漢字合体句

  • 王さまは 月を亡くすの 望まない (60号)

「望」という漢字が「王」「月」「亡」という部品の組み合わせでできているというのを五・七・五で表現したものです。60号で初登場し連載終了まで継続的に掲載されました。傑作多いです。

漢字プレハブレット句

  • 豆のきを 登ってみえた 澄むけしき (62号)

豆 → 登 → 澄 のように漢字が組み立てられていく,別の言い方をすると,「澄」という漢字の一部分が「登」でその一部分が「豆」となっていることを,五・七・五で表現したものです。62号で初登場し連載終了まで継続的に掲載されました。

(補足)「十七文字さんこんにちは」について

「十七文字さんこんにちは」コンテストは現在もパズル通信ニコリで継続していますが,第1回目は募集22号,発表23号でした。当初は以下のように(い)(ろ)(は)の3つの部門がありました。

  • (い)の部門: 元句のアナグラムで句を作る。
  • (ろ)の部門: アナグラムだが元句が明らかにされておらずばらばらに与えられた17文字を使って句を作る。
  • (は)の部門: 自由部門。逆から読んでも同じ回文句,逆から読むと別の句となるリバース句をはじめ,何でもあり。

その後60号で(ろ)の部門は終了,(は)の部門は「お言葉に甘えて」に合流,(い)の部門がそのまま残り現在まで続いています。

(おまけ)はてなハイクでは

さて,わたくし,はてなハイクで毎日言葉遊びにいそしんでいます。上で紹介した言葉遊びと似たようなキーワードもいくつかありますので,ご紹介したいと思います。

プレハブレット

プレハブレット] というキーワードがあります,というかわたししか書いていません。何か思いつきましたらどうぞ。

右上がり単語

構成する文字がすべてあいうえお順に並んでいる言葉 というキーワードがこれにあたります。ここでも今のところ「アイウエオジュン」が最強です。まともな単語なら長音除いて7文字なら結構珍しい,8文字だったら記録的ですのでご参考までに。**リロンで架空の理論をでっちあげればもう少しは行けるでしょうか。単語ではなく文で追求するのもいいと思います。

カガミ遊び

スターをカボチャに変換してみる など,特定の文字列を置き換えて遊ぶキーワードはいくつかあります。カガミ遊びそのものはないのですが,そのうち投入してみたいと思っています。

増殖尻取り

しりとりが盛んなはてなハイクですが,1文字ずつ増えるしりとり一文字ずつ増えていくしりとりが増殖尻取りと同じことをやっています。

略号翻訳

NHKって何の略? など,**って何の略というキーワードはいくつもありますね。SOSはちょっと違っていてSOSとは何? です。

漢字合体句

句ではないですが,文字あそび でこれに近いことがやられています。文字の組立てをイラストで表現されているのははてなハイクならではで,おもしろいですね。